デグナー 監督『海』

解説

英国留学ののち北京電影学院の大学院在学時に『告別』(15)を発表し、第28回(2015年)東京国際映画祭「アジアの未来」部門で国際交流基金アジアセンター特別賞を受賞したデグナー監督。『告別』は余命わずかな父と留学帰りの娘の確執と和解を描きつつ、そこに内モンゴル映画界の盛衰を重ねた自伝的な作品だったが、本作では母と娘が旅の途上で口論を続けた果てに関係の変化が兆すさまを見つめており、前作に続いて家族とは何かを鋭く問いかける。内陸の内モンゴル出身のデグナーにとって、タイトルの「海」は何を意味するのだろう。

あらすじ

中国・北京を出発して車で何処かへと向かう母娘。電話で不動産売買について話し込み、電話が終わると娘にしきりに話しかけ、途中の寺で熱心に参拝するなどせわしない。娘にとっては母の行動も話題も気に触るばかりらしく、不機嫌そうに無関心な態度を示し続ける。やがてふたりは、最近亡くなった父のこと、親戚との関係をめぐり口論の末、怒りを爆発させる。一台の車に隣り合って座りながら、罵り合い目も合わさずに続けた旅の終着点は、海。小舟の上で一転して穏やかな表情を見せる母と娘がとった行動とは…。

キャスト

母役:チェン・ジン(中国)
母役:チェン・ジン(中国)

1988年に“Out of the Desert”にヒロインのJiao Zhen役で主演し、女優デビューを果たす。1999年に“Roaring Across the Horizon”に出演、同作での演技を評価され、第6回中国電影華表奨最優秀女優賞、第20回金鶏賞最優秀助演女優賞、第5回長春映画祭助演女優賞を受賞。その確固たる技術と演技力によりチャン・イーモウ監督の『王妃の紋章』(06)やフォン・シャオガン監督の『唐山大地震』(10)など、名匠による作品へ出演。2015年には出演作“Nezha”が上海国際映画祭New Media Awardを、2016年には出演作“A Noble Spirit”が第16回中国電影華表奨にて優秀少数民族映画賞を受賞している。2017年は出演作“Hold Your Hands”が第25回北京大学生映画祭で組織委員会大賞を受賞。

コメント

近年、中国映画やアジア映画は目覚しい発展を遂げてまいりました。アジア各国からの製作陣が集まり合作が数多く手がけられていますが、このような国をまたいだ共同制作は参加者が直接コミュニケーションを取り合い、協力し合うことでお互いを補完し、それが各国作品のレベルアップに還元されます。女優としては今後、アジア中の秀でた監督や俳優と協力する機会を得、試行錯誤し、観客によりたくさんの素晴らしい作品をお届けできることを願います。最後に、「アジア三面鏡」が東京国際映画祭で輝かしいプレミアを迎えられるよう祈っています!

娘役:ゴン・チェ(中国)
娘役:ゴン・チェ(中国)

中央美術学院・撮影専攻大学院修士課程修了。2005年に『私たち』で女優デビュー。この映画の出演による映画賞の受賞及びノミネートは多数。その後『大地』、『大震撼』、“Xidan Street Girl”、“布尔津童话”などの映画に相次いで出演。中国大学生映画祭最優秀新人賞、中国メディア大賞最優秀新人賞など受賞。

コメント

この度「アジア三面鏡」に出演する機会をいただき、とても嬉しく思っています。『海』はとても素晴らしい作品で、この映画への出演は私の成長の過程における重要な出来事でした。敬愛する監督や俳優たちと知り合うことができただけでなく、家族関係というものをもっと大人の目線から理解できるようになり、家族愛の大切さをさらに深く感じるようになりました。本作のような家庭を描く映画が、より広く上映され、より多くの人々に日常の様々な感情を喚起し、理解し考えるきっかけとなることを期待しております。