世界的に活躍しているアジアの気鋭監督3名が、ひとつのテーマのもとにオムニバス映画を共同製作するプロジェクト「アジア三面鏡」。それぞれの時代と文化を反響させ、新しい光を生み出すシリーズ第1弾『アジア三面鏡2016:リフレクションズ』は、「アジアで共に生きる」というテーマのもと、様々な国のスタッフ・キャストが結集し、日本とカンボジア、フィリピン、マレーシアの各国間を行きかう人々の生きる姿を映し出しています。映画でアジアの人々がひとつになる、新しい一歩となる作品が誕生しました。
真冬の北海道、帯広のばんえい競馬。レースで当てたフィリピン人のマニーは札束を握ってご機嫌で帰路につくが、彼が馬の世話をしている牧場に入国管理局の担当官がやってくる。不法滞在者のマニーは捕まり、本国に強制送還となる。マニラまでは飛行機、空港から長距離バス、ジープニー、バイクタクシーを乗り継いで故郷の村へ。だが、もう家族はおらず、泊まるところもない。結局、マニーはサンタ・アナ競馬場の厩舎に潜り込むが…。
1960年、フィリピン出身。2005年インディペンデント映画プロダクション「センター・ステージ・プロダクションズ」を設立。同年の監督デビュー作 『マニラ・デイドリーム』でロカルノ国際映画祭ビデオ部門金豹賞を受賞。2007年『どん底』でベルリン国際映画祭カリガリ賞を受賞。2009年『キナタイ マニラ・アンダーグラウンド』でカンヌ国際映画祭監督賞を受賞。2012年『汝が子宮』(TIFF2015上映)でヴェネチア国際映画祭the La Navicella Venezia Cinema Awardを受賞。2015年『罠(わな)~被災地に生きる』(TIFF2015上映)が第68回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門に出品されたのに続き、2016年の第69回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門では最新作『Ma’ Rosa』(原題)が女優賞(ジャクリン・ホセ)を受賞した。
1968年8月3日生まれ。熊本県出身。『ひまわり』(00年)で第5回釜山国際映画祭国際批評家連盟賞を受賞。『GO』(01年)では第25回日本アカデミー賞最優秀監督賞を始め、数々の映画賞を受賞。『世界の中心で、愛をさけぶ』(04年)は観客動員620万人、興行収入85億円の大ヒットを記録。以降、『北の零年』(05年)、『パレード』(2010、第60回ベルリン国際映画祭パノラマ部門・国際批評家連盟賞受賞)。釜山国際映画祭のプロジェクトで製作されたオムニバス映画『カメリア』(11年)の中の一作『Kamome』、『円卓』(14年)、『ピンクとグレー』(16年)他、近年は「趣味の部屋」(13、15年)、「タンゴ・冬の終わりに」(15年)等の舞台演出も手掛ける。映画公開待機作には、日活ロマンポルノ『ジムノペディに乱れる』(16年)、『ナラタージュ』(17年)等がある。